統合失調症は、決してまれな病気ではなく、100人に1人ほどの患者さんがいるとされている病気です。
早い発症だと10台の後半ごろからみられ、遅い発症では60歳手前ぐらいまでは見られることがありますが、年齢や統合失調症のタイプによって症状や経過も違います。
病気の勢いが強いと生活に支障をきたすこともありますが、病気の理解をしながらお薬で良好にコントロールできると、社会参加しながら生活することは十分可能な病気になってきています。
薬の開発も進んでおり、いろいろなタイプの薬を使用することができるようになってきており選択肢も広がっています。
発症の時には患者さん自身は気づかない時も多いですが、なるべく早い治療導入がその後の安定の鍵と言われており、自分自身や周囲の人が以下の症状を感じた場合は早めの相談をすることをお勧めします。
〇なんだか周りからみられている感じがする
〇盗聴・盗撮されているような気がする
〇自分のことを悪口をいう声がする
〇毒をまかれているような気がする
〇自分の考えが周りに知られわたってしまう気がする
〇自分だけに向けられた強いメッセージを感じる
〇世界と自分がつながって、いろいろなことが分かったような爽快感がある
〇自分の周りで大変なことが起きそうで強い恐怖を感じる
〇周りが自分に嫌がらせをしてくる感じがする
(他の病気でも、統合失調症に見られる症状が出ることがあります。上記の症状があるのですぐに統合失調症と思わずに相談ください)
統合失調症の薬は一生飲み続けないとならないといわれることが多いですが、糖尿病や不整脈と同じように薬を飲んで症状をコントロールすれば長く安定した生活を送ることも可能です。
以前は薬剤で眠くなる、ぼーっとしてしまう、手の震えが出るなどの副作用もありましたが、最近は副作用をなるべく少なくしていこうと新しい薬が開発され、なるべく眠くなく、副作用止めを使用しないで薬を調整する治療が主流になりました。
薬の種類も、錠剤、粉薬、液剤などから選ぶことができ、飲み忘れを防いだり、毎日飲むわずらわしさを気にしないで済む持続性の注射(2週間や1か月に1度)の種類も増えてきています。